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資源・エネルギー 広島サミットで考える

家庭の光熱費高騰を家電の設定見直しでしのごう 丸山晴美

エアコンの設定温度の変更は節電の重要なポイントだ
エアコンの設定温度の変更は節電の重要なポイントだ

 政府の補助金で一服した電気・ガス代の高騰。だが、電気代の抜本値上げも控えており、省エネ対策を確認したい。

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 電気代やガス代の値上がりが、家計に重くのしかかっている。標準家庭における東京電力の電気料金(月260キロワット時使用)は、2021年1月の6317円が、23年1月には9126円と1.4倍に、東京ガスのガス料金(月30立方メートル使用)は、21年1月の4298円が23年1月には7035円と1.6倍に上昇した。

 政府は、今年1~9月の使用分(2~10月の請求分)について、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、電気は標準家庭で月2800円程度、都市ガスは月900円程度を補助することを決め、足元で負担感は一服している。ただ、電力会社は抜本値上げを政府に申請中で、認められれば家庭の負担額は再び膨らむことになる。電気・ガス料金がかさむ夏に向け、省エネ対策を見直しておきたい。

 気象庁の予想によると、今夏の気温は平年並みか高くなる見込みで、我慢して熱中症になっては本末転倒だ。エアコンの設定温度は28度にして、扇風機を併用すれば、床にたまった冷気をかき混ぜ、涼しさを感じやすくなる。

 日中の冷房使用時は窓ガラスから外の熱が入り、冷気が逃げてしまうため、窓の対策が大切だ。遮熱、遮光性能があるカーテンをひいたり、よしずやすだれで日陰を作る工夫をしよう。蒸し暑い夏は湿度を下げれば快適に過ごせる。エアコンの冷房運転をすることで同時に除湿もされる。

 エアコンが購入後15~20年経過するなど古かったり、内部が汚れていたりすると部屋は冷えにくく、電気代がかさむ原因になる。繁忙期は取り付けや修理、清掃を業者に依頼しても対応に時間がかかるため、早めの手配が望ましい。

クールシェアも有効

 家族が一つの部屋で過ごし、エアコンや照明、テレビを共有するクールシェアは有効だ。通気性のよいリネン地(麻)の衣類や機能性に優れたインナー、部屋着を身につければ快適さが増す。

 在宅中でもマイ水筒を一人1本持てば、こまめな水分補給と同時に冷蔵庫の開閉回数も減らすことができるため、節電と熱中症対策が同時にできる。照明はLED電球やシーリングライトに交換しておきたい。

 家電の保温機能も要確認だ。保温ポットや炊飯器、ウオーターサーバー、暖房便座などの保温機能は電気代がかさむ原因になる。お茶を飲む程度なら電気ケトルを使用したい。炊飯が終わったら保温を切り、食べなかった分は小分けして冷凍保存して、必要分だけレンジで温め直す。

 ガスを多く使う風呂の対策としては、給湯パネルの設定の見直しが手軽だ。給湯パネルの設定温度を夏場は40~42度と低めに設定し、湯量の目盛り設定を1段階以上下げて湯量も減らすようにしよう。湯張り後に保温運転をしないように切ることも忘れずに。

 光熱費は今後も家計にとって大きな負担となる。節電・節ガスになる仕組みづくりを進め、意識を高めておきたい。

(丸山晴美・節約アドバイザー)


週刊エコノミスト2023年5月23・30日合併号掲載

広島サミット 家計の光熱費 電気・ガス代高騰対策にエアコンや家電の設定を見直し=丸山晴美

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