週刊エコノミスト Online 書評 『学力喪失』今井むつみ著 岩波新書 1276円 2024年11月29日 『学力喪失』今井むつみ著 岩波新書 1276円 多くの小学生が算数の文章題や分数を苦手にしている。研究者の著者が厳しい現状を踏まえ、人間の思考など知的機能の仕組みを追究する認知科学の観点から解決のすべを探る。例えば時間の概念を子供がつかむのは難しいが、じゃんけんで勝った方が「30分」など時間の長さを表すブロックを取り合うゲームを通して理解が深まったという。多くの事例から子供たちが学びの意欲を高め、探究する姿勢を身に付けさせることが大人の役割と痛感できる。(W) 週刊エコノミスト2024年12月10・17日合併号掲載 『学力喪失』今井むつみ著 岩波新書 1276円 前の記事 『まっとうな気候政策へ』西岡秀三、藤村コノヱ、明日香壽川、桃井貴子編著 地平社 1980円 文字サイズ 小中大 印刷