『日銀総裁のレトリック』木原麗花著 文春新書 1100円
『日銀総裁のレトリック』木原麗花著 文春新書 1100円
利上げ判断などが国内外の注目を集める日銀。海外通信社の記者が、難解な表現が多く「日銀文学」と評される総裁らのメッセージを基に、その真意や歴代総裁の特徴を解説した。例えば異次元の金融緩和を断行した黒田東彦氏は、当初は物価展望などでモダリティ(確信)が強い発言が目立ったが、政策の副作用が出始めると次第に低下。現職の植田和男氏は説明が丁寧な分、意図を誤解されやすいという。金融政策を身近に感じられる秀逸な分析が光る。(W)
週刊エコノミスト2024年12月3日号掲載
『日銀総裁のレトリック』木原麗花著 文春新書 1100円