バレーボール男子日本代表主将を務める石川祐希。イタリア1部リーグ・セリエAから世界に飛躍しています。
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バレーボール男子日本代表主将を務める石川祐希選手は、愛知・星城(せいじょう)高のエースとして史上初となる2年連続高校3冠(全国高校総体=インターハイ、国体、全日本高校選手権=春高バレー)を達成し、一気に脚光を浴びた。大学卒業後は国内実業団に属さず、活躍の場をイタリア1部リーグ・セリエAに求め、自らの技量とキャプテンシーを日々培っている。
読めばわかる「石川祐希」
石川選手は1995年12月11日生まれ、愛知県岡崎市出身。愛知・星城高を経て中央大。身長192センチ。ポジションはアウトサイドヒッター。世界中の一流選手が集うイタリア1部リーグ・セリエAでプレーし、現在はミラノに所属している。2021年、男子日本代表主将に就任。硬軟自在のスパイクと強烈なジャンプサーブ、安定したレシーブ力を兼ね備える。セッター経験もあり、スパイクを打つふりをしてトスを上げる「フェイクセット」も得意。目標は「世界のトップ選手」だ。
出合いのきっかけは「姉」
小学3年の時、一つ上の姉が入っていた近隣のスポーツ少年団と、石川選手が通っていた岡崎市立矢作(やはぎ)南小の男子バレーボール部との練習試合を見学に行った際、矢作南小の同部顧問に言われて突然、試合に出場した。
その場でスパイクのステップを習った。「やってみたら、バーンと打てたわけではないが、ちょんと触って返すことができて、うれしかった」と振り返る。それがきっかけで、小学4年から矢作南小の男子バレー部に加入し、本格的にバレーを始めた。
前人未到の2年連続高校3冠
愛知県は10年、全国都道府県対抗中学大会で準優勝した。当時、中学3年だった石川選手ら県選抜のメンバーが「高校で日本一に」と地元の星城高(愛知県豊明<とよあけ>市)に進学。高校2年の12年度、リベロも含めたレギュラー7人中6人が2年生という構成で、全国高校総体、国体、全日本高校選手権の三つの全国大会をすべて制した。
石川選手が主将に就いた翌13年度もさらにチーム力を伸ばし、史上初の2年連続3冠を達成した。年代別日本代表にも選出され、12年のアジアユース選手権で3位に入り、ベストスコアラーに輝いた。
大学在学中からイタリアで武者修行
中大に進学すると、1~3年の時に全日本大学選手権で3連覇を果たした。また、セリエAの強豪モデナから誘われ、「世界のトップレベルの選手が集まるチームで学びたい」と1年の12月から約3カ月間、初めて海外のクラブでプレーする「武者修行」を敢行した。
大学3、4年でも大学に籍を置いたまま、セリエAのラティーナで腕を磨き、自分自身の中でも自然と海外志向が高まっていった。
異例のプロ選手の歩み
日本の男子選手は、大学から国内の実業団に進むことが一般的だった。しかし、石川選手は「海外のトップチームでプレーをしたい。制限を受けず、結果次第で上を目指したい」として、プロ選手としてイタリアのクラブと契約を結ぶ異例の決断をした。
大卒1年目の18~19年シーズンはシエナに所属し、チームは2部降格と苦戦するも主力として活躍した。19~20年シーズンのパドバを経て、20~21年シーズン以降はミラノで中核を担い、カップ戦「コパ・イタリア」で2年連続の4強入りを果たした。
日本代表 21年から主将に
中大1年の14年、男子日本代表に初選出され、仁川アジア大会に出場した。15年に代表の有望若手「NEXT(ネクスト)4」に指名され、同年のワールドカップ(W杯)でバレーボール3大大会(オリンピック、世界選手権、W杯)の鮮烈なデビューを果たし、6位に貢献した。
16年リオデジャネイロ五輪は、世界最終予選兼アジア大陸予選で敗れて出場を逃したが、19年W杯で28年ぶりの4位に浮上し、21年の東京五輪では主将としてチームを29年ぶりのベスト8に導いた。
ポジションは攻守の要
石川選手は、攻守の要となるアウトサイドヒッターを務める。アウトサイドヒッターはコート上の6人のうち2人。サーブレシーブはリベロとアウトサイドヒッター2人の計3人が務める。スパイク時は、前衛はレフトから、後衛はセンターから主に打つ。ラリーの流れの中で高いトスを打ち込む役割も担う。
「シャイな少年、大きく成長」
初めて石川選手を取材したのは、星城高2年だった13年1月の全日本高校選手権だ。伸び伸びとプレーする星城高に魅了され、当時は西部本社運動グループ(福岡)に所属していたが、3年の全国高校総体と全日本高校選手権にも足を運んだ。当時からコート上で誰よりも存在感を発揮し、リーダーシップもあった。しかし、コートを離れて取材になるとシャイで口下手な少年だった。練習の取り組みや戦術はチームメートに聞かざるを得なかった。
印象が大きく変わったのは、中大在学中にイタリアで武者修行を重ねた後だ。大学4年の17年春、久しぶりに1対1でインタビューに臨むと、一つ一つの質問にしっかりと目を合わせて答えるようになり、将来の目標についても「世界の強豪チームのスタメンで結果を出すトップ選手」と力強く語るようになった。
学生時代に競技者としてバレーボールを愛好していた私は記者となり、過去の栄光にすがり旧態依然としているバレー界が変革することを願ってきた。
その中で、石川選手は「伝統」に風穴を開けるように大学在学中、武者修行としてイタリアに渡り、実業団を経ずにプロ選手になった。日本代表でも若い時から自己主張し、25歳で主将に抜てきされた。
攻守万能の鮮やかなプレーの背景には揺るがぬ探究心と向上心がある。石川選手のさらなる飛躍を見続けていきたい。【東京運動部・小林悠太】
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