経済・企業 特集

EV&つながる車 車体材料(構造材・内装材) 化学企業の“川中”展開が加速 自動車会社にノウハウ提供も=澤砥正美

東レの炭素繊維素材をボディーに採用したクルマ(Bollmberg)
東レの炭素繊維素材をボディーに採用したクルマ(Bollmberg)

 <活況!車載市場>

 地球温暖化の一因とされる二酸化炭素(CO2)の削減のため、軽量化、電動化をはじめ自動車の環境対応の動きが加速している。自動車の安全を維持した上での軽量化は永遠のテーマ、特に電動化や自動運転の技術が進歩するにつれ軽量化の要求は一層強まっている。

 高出力のリチウムイオン電池(LiB)を積めば、車体重量はガソリン車より重くなってしまう。自動車の重量を100キログラム軽量化できると、燃費は1リットル当たり1キロメートル改善されるといわれる。このため自動車メーカー各社は鉄に替わる軽量化素材として、エンジン関連部材を中心にアルミを採用してきた。

 今後は、耐熱性が求められるエンジン関連部材で、さらに軽量な「エンプラ」「スーパーエンプラ」といわれる樹脂の採用拡大が予想される。エンプラのPPS(ポリフェニレンサルファイド)は耐熱性が200度以上あるため、LiBや電装品など各所が熱を帯びる電気自動車(EV)に適し、モーターコイルを束ねるワイヤや絶縁体、電動装置のフィルム向けに需要が拡大している。

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