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WASHINGTON D.C. 対米投資審査を強化へ 日本企業も安心できず=川上直

通信技術には特に敏感(Bloomberg)
通信技術には特に敏感(Bloomberg)

 今年3月、当時はシンガポールの半導体メーカーだった「ブロードコム」(4月に米へ移転)が米半導体メーカー「クアルコム」を買収しようとしたところ、トランプ大統領が「国家安全保障上の理由」を挙げて阻止したことが話題となった。適否を審査したのが対米外国投資委員会(CFIUS)である。このCFIUSの権限を強化するための法案が、8月13日、国防権限法の一部としてトランプ大統領の署名を経て成立した。

 CFIUSは、外国企業による対米直接投資について、国家安全保障上の観点から適否を審査する。まず、国家安全保障上の脅威となりうる対米投資について、影響軽減のための措置を指示することができる。さらに、影響が重大な場合には、大統領の承認を得て当該投資を差し止める権限も有する。2017年には、中国政府が関与するファンドが米半導体メーカー「ラティス・セミコンダクター」を買収しようとした。しかし、これを認め…

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