週刊エコノミスト Online Book Review

『グローバル金融危機の衝撃と新興経済の変貌 中国、インド、ブラジル、メキシコ、東南アジア』 評者・服部茂幸

編者 河村哲二(法政大学教授) ナカニシヤ出版 3800円

変化するパワーシフト 新興国経済の注視で分析

 2008年のグローバル金融危機は、アメリカを起点とするそれまでの経済成長のパターンを崩壊させた。日米欧の危機後の経済回復は遅い。他方、中国、インドといった新興国の回復は比較的早かった(全ての新興国の経済が順調というわけではない)。それが世界経済のパワーシフトを引き起こしている。

 危機後、新興国の中でも、中国、インド、ブラジル、メキシコなど地域大国は内需中心の経済成長を目指していると本書は述べる。他方、ASEAN(東南アジア諸国連合)、韓国、中南米の周辺国といった中小国は域内統合を進めている。

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