週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

食品ロス、連携し「面」で解決=金藤正直

フードバンクに個人から寄贈された食品
フードバンクに個人から寄贈された食品

削減推進法制定も後押しに

 日本では、まだ食べられるにもかかわらず、売れ残り、包装袋の傷、食べ残し、見た目や形の悪さ、賞味期限が近いなどの理由によって捨てられてしまう食品「フードロス(食品ロス)」が、食品関連事業者(スーパーマーケット、コンビニエンスストア、飲食店など)や一般家庭から大量に発生している。その発生量は2016年度推計で643万トンであり、これは、国連世界食糧計画(WFP)による世界の食糧援助量(17年度で年間約380万トン)の1・7倍に相当する。

 食品関連事業者や一般家庭がこのままフードロスへの対応を何もとらなければ、ロスとなる食料を届けることで救えたはずの人々の貧困や飢餓の問題が拡大する可能性がある。また、フードロスの運搬や焼却は、エネルギーの消費や二酸化炭素の発生といった環境問題を引き起こす原因にもなる。

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