週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

日欧EPAで崩れる食の国産信仰=小川健

環境技術で「後発の利益」つかめ

 食べ物の安全性を最優先に考える消費者が商品を産地で選ぶとしたら、どこが一番良いのか。国産、米国産、中国大陸産、フランス産……。地産地消なら国産だが、「安全性」という点では、国産ではなく実はフランス産に軍配が上がる。2019年2月、日本とEUの間で発行されたEPAによって、このような選択が可能になったことは、あまり知られていない。

 少し前に注目されたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)と比べ、日欧EPAに対する国民の関心は薄い。国内での報道は、一面的な内容にとどまった。だが実は日欧EPAには、TPP以上に日本にとって重要な要素がいくつもある。

残り2219文字(全文2509文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事