投資・運用 不動産コンサル長嶋修の一棟両断

内陸や高台を襲う都市型洪水/36 

(出所)国土交通省国土地理院ホームページより編集部作成
(出所)国土交通省国土地理院ホームページより編集部作成

 筆者のさくら事務所は「渋谷区桜丘町」にあり、国土地理院の地形分類では「山地」「台地・段丘」に該当する。標高も高く、浸水や液状化の可能性も低い。しかし、すぐそばの渋谷駅周辺の地形分類は、起伏が小さく低くて平坦な土地を示す「氾濫平野」となる。洪水で運ばれた砂や泥などが河川周辺に堆積(たいせき)したり、過去の海底が干上がってできた土地で、液状化のリスクがある。

 同様に周辺の「代官山町」「南平台町」「鉢山町」といった標高が30メートルほどある高台の高級住宅地であっても、「凹地・浅い谷」が存在し、大雨で雨水が集まりやすく、浸水のおそれがあり、地盤は軟弱な場合がある。地盤の強弱や水害の可能性は、地名である程度は分かる、と言われても千差万別であり、「丘」「山」「台」といった地名が付いていてもハザードマップで浸水可能性が指摘される地区と重なる場合がある。

残り810文字(全文1185文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月28日号

バイオ製薬最前線 肥満 がん 認知症第1部 創薬テーマ編肥満14 画期的な減量効果の治療 ノボ、リリー2強が世界席巻■中桐成美/中西拓司17 内臓脂肪減少薬 大正製薬が「アライ」発売 吸収抑えて25%を排せつ■中西拓司19 米国の現実 成人の「4割超」の深刻 国防にも影響するレベル■岩田太郎20 体 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事