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ロシア疑惑の被告恩赦 大統領に従う利点見せつけ=古本陽荘

いったんは有罪となったストーン氏だが(今年2月)(Bloomberg)
いったんは有罪となったストーン氏だが(今年2月)(Bloomberg)

 米国の大統領は「世界で最も強い権限を持つ」と言われることもあるが、実際には三権分立、連邦政府と地方政府との分権などにより、国内的には大統領権限はかなり制約があるという見方もある。その米国のトランプ大統領が司法権限を踏みにじる暴挙に出た。

 ロシアが2016年米大統領選に介入した「ロシア疑惑」を巡り議会への虚偽証言などの罪で実刑が確定し、収監予定だった盟友の政治コンサルタント、ロジャー・ストーン被告(67)=禁錮3年4月=を恩赦すると発表したのだ。「極めて不公平な扱いを受けてきたため」との理由で、捜査や刑事裁判などのすべてを否定した。

 この捜査を指揮していたモラー特別検察官(当時)は直後に『ワシントン・ポスト』(7月12日付)に寄稿。恩赦されてもストーン被告が、刑事事件で有罪判決を受けた被告であることに変わりはなく、ロシア疑惑の捜査は「最も重要度が高い」ものだったと捜査の正当性を強調した。

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