経済・企業 注目の特集

サウジアラムコ 人民元建て社債発行へ 揺らぐドル基軸通貨=岩間剛一

人民元建て社債発行の可能性を示した(サウジアラムコのナセルCEO) (Bloomberg)
人民元建て社債発行の可能性を示した(サウジアラムコのナセルCEO) (Bloomberg)

 サウジアラビアの国営石油企業サウジアラムコが今年11月、中国人民元建ての社債発行の可能性を表明した。これは、サウジアラムコの資金調達源を多様化することにつながるとともに、中国にとっても米ドルに依存しない原油取引が可能となる。さらには、世界最大の貿易商品である原油が米ドル建て以外で決済されることで、世界の基軸通貨たる米ドルの威信を大きく揺るがす可能性もある。

 サウジアラムコは同じ11月、80億ドルのドル建て社債を発行したが、応募額は481億ドル。昨年4月に120億ドルの社債を発行した際、1000億ドルを超える応募が殺到した状況と比べると、今回の応募は半分にも満たなかった。新型コロナウイルス感染拡大による原油価格の下落や石油需要の減少に直面し、投資家が慎重姿勢を示しているとみられる。

残り737文字(全文1082文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月28日号

バイオ製薬最前線 肥満 がん 認知症第1部 創薬テーマ編肥満14 画期的な減量効果の治療 ノボ、リリー2強が世界席巻■中桐成美/中西拓司17 内臓脂肪減少薬 大正製薬が「アライ」発売 吸収抑えて25%を排せつ■中西拓司19 米国の現実 成人の「4割超」の深刻 国防にも影響するレベル■岩田太郎20 体 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事