週刊エコノミスト Online 書評

厳格な教義に左右される 女性たちの日常を描く=高部知子

×月×日

 先日ベリーダンスを体験した。踊りはさすがに難しかったが、古代エジプトの曲だという音楽が心地よく、なんともエキゾチックな衣装とムードに夢心地となった。イスラム文化については身近に誰も体現者はいないし、大学時代の中東史程度の知識しかないので『ルポルタージュ イスラムに生まれて 知られざる女性たちの私生活』(読売新聞中東特派員著、ミネルヴァ書房、2640円)』に興味がわき、読んでみた。

 宗教とか思想って、日本では日常的にそれほど意識することはないように思うのだが、この本を読んでみると、とにかくライフイベントの全てが教義に基づいて決められていることに改めて驚いてしまう。例えばスポーツ。2012年のロンドン五輪にサウジアラビアから柔道と陸上競技で女性選手が派遣されたのがイスラム女性では初めてなのだとか。

残り1000文字(全文1356文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月28日号

バイオ製薬最前線 肥満 がん 認知症第1部 創薬テーマ編肥満14 画期的な減量効果の治療 ノボ、リリー2強が世界席巻■中桐成美/中西拓司17 内臓脂肪減少薬 大正製薬が「アライ」発売 吸収抑えて25%を排せつ■中西拓司19 米国の現実 成人の「4割超」の深刻 国防にも影響するレベル■岩田太郎20 体 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事