経済・企業 深層真相

TSMCが日本に新工場 政府の巨額支援に疑問も

台湾・新竹市のTSMC本社 Bloomberg
台湾・新竹市のTSMC本社 Bloomberg

 半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が日本に新工場を建設する方針を10月14日に表明した。2022年に着工し24年稼働を目指すという。総投資額は1兆円規模で、その半分程度を日本政府が支援する方向で調整が進んでいる。ただ、世界屈指の高収益企業であるTSMCになぜ、政府の財政支出が必要なのか、根拠に乏しいとの指摘も聞かれる。

 新工場は熊本県が有力で、同県に半導体工場を持つソニーグループ、自動車部品大手のデンソーが協力することが検討されているという。ただ、事情に詳しい業界筋は、「肝心のピースが欠けている。ルネサスエレクトロニクスだ」と強調する。車載用半導体世界大手のルネサスは生産設備への投資はできるだけ軽くする方針で、計画に加わるかどうかは不透明だ。

残り191文字(全文527文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月28日号

バイオ製薬最前線 肥満 がん 認知症第1部 創薬テーマ編肥満14 画期的な減量効果の治療 ノボ、リリー2強が世界席巻■中桐成美/中西拓司17 内臓脂肪減少薬 大正製薬が「アライ」発売 吸収抑えて25%を排せつ■中西拓司19 米国の現実 成人の「4割超」の深刻 国防にも影響するレベル■岩田太郎20 体 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事