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ビットコイン最高値750万円突破の裏側=高城泰

ビットコイン 750万円突破の最高値 原動力は新資産「NFT」=高城泰

 仮想通貨(暗号資産)ビットコインが10月20日、史上最高値を更新し、一時1BTC=750万円(BTCは単位)を超えた。米証券取引委員会がビットコイン先物ETF(上場投資信託)を承認したことがきっかけとなった。さらにインフレ(物価高)ヘッジ(回避)の手段としても買われているようだ。

 物価高で実質的な価値が目減りする法定通貨と違い、ビットコインは発行量に上限が定められた有限の資産であるため、インフレでも値崩れしにくいとされる。ニューヨークWTI原油が10月8日に約7年ぶりに1バレル=80ドル台まで上昇した後の高値更新だった。

 もう一つ、ビットコインはじめ仮想通貨相場を高騰させた現象が今年夏場に起きた「NFTサマー」だ。「NFT」とはイラストや音楽、ゲームのアイテムなどさまざまな形態を取る「デジタルデータの新資産」。それぞれが固有性を持つ「1点もの」であるのが特徴だ。

 有名画家の絵画、あるいは職人手作りの高級腕時計が「富の象徴」となるのと同様、世界に一つしかないNFTには、富やセンスを誇示するための資産としての役割も生まれている。実際、NFTは「デジタル・ロレックス」の異名を取る。

1000万円視野

 NFTは一般的に仮想通貨建てで販売される。NFTの市場規模は今年1〜3月期は10億ドルだったが、4〜6月期には100億ド…

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週刊エコノミスト

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