経済・企業 リーマン・ショック10年

リーマン・ショック10年 私のリーマン・ショック 宮本雄二 米国の挫折で自信深めた中国 本音では回避したい米中対立

宮本雄二(元駐中国日本大使)
宮本雄二(元駐中国日本大使)

「米国の時代の終わり、中国の時代の始まり」を中国に認識させる最大の出来事がリーマン・ショックだった。

 当時、すでに中国は経済成長を遂げていたが、それでもまだ米国は仰ぎ見る存在。その米国が、最も強みを持っていたはずの金融で失敗したのは、中国人にとって衝撃だった。米国を訪問した中国の友人たちは「こんなに自信を失った米国を見るのは初めてだ」と、驚いていた。

 もちろん、中国も深刻な打撃を受ける不安は大きかった。当時の中国の貿易依存度は57%。米国が安定を担保できなければ、中国も安定を保てないのが実情だったからだ。

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