経済・企業 学者が斬る・視点争点

「社会的比較」で省エネ継続=溝渕健一

図1 日本は05年と13年で変化のないCO2排出量の大幅削減を掲げる
図1 日本は05年と13年で変化のないCO2排出量の大幅削減を掲げる

リポートだけで低コスト実現

 運動や健康的な食事、禁煙などの行動は、その人の将来の健康状態を良い方向に向けることが期待できる。しかし、将来の健康状態の向上を期待して始めたダイエットなども、それほど長くは続かず、途中でやめてしまう人の方が多いのではないだろうか。人は自分の将来像を思い描くのは得意だが、そこに向けての過程の大変さにはあまり注目しないか、もしくは過小評価する傾向があるためだ。

 健康状態は個人の課題であることが多いが、こうした行動の継続性の問題が、国の定めた目標の達成を困難にするケースもある。その一つに省エネルギー行動がある。省エネ行動とは、地球温暖化やエネルギー問題、電力不足問題などに対して、国や地域単位で継続的に取り組んでいく必要がある行動である。

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