経済・企業 特集

中国の闇 疑問6 EVブームは終わり? 政策限界で消費者の需要減へ=野呂義久

中国のEV市場の拡大にはハードルも
中国のEV市場の拡大にはハードルも

 2017年の中国の自動車販売台数は2888万台に達し、2位米国(約1723万台)の1・7倍となる世界最大の市場規模だ。電気自動車(EV)など新エネルギー車の販売も世界の半分近くを占める78万台となり、中国がEV市場をリードするのではないかとの見方が広がっている。

 中国のEV産業戦略は、12年の「省エネと新エネルギー自動車産業育成計画」において、新エネ車の生産能力を20年までに200万台に引き上げる目標を掲げたことに端を発する。14年から購入補助金を導入し、現在に至るEVブームが起こる。

 さらに17年には、「自動車産業中長期発展計画」で新エネ車の販売を20年に200万台、25年に700万台へと増加させる目標を発表した。17年を起点とすると、25年までの総市場の増加分600万台は新エネ車の増加分にほぼ一致する(図1)。

残り1752文字(全文2115文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事