経済・企業 特集

中国の闇 疑問9 高まる北京の支配力 「香港」の民主化とん挫? 高速鉄道開業で進む“統合”=倉田徹

高速鉄道の開業でさらに香港の自治が揺らぐ(香港・西九龍易で9月2日、筆者撮影)
高速鉄道の開業でさらに香港の自治が揺らぐ(香港・西九龍易で9月2日、筆者撮影)

 2014年に市民が公道を占拠して民主化を求めた「雨傘運動」後、香港では独立運動が高まったが、その実現可能性の低さから16年をピークに減退している。筆者が8月に訪問した香港中文大学では昨年、「香港獨立(独立)」と書かれた横断幕が出現して一時騒然となったが、その横断幕もちぎれかかったまま放置されていた。

 香港での中国の影響拡大を象徴するのが、9月23日の高速鉄道の開業である。広東省の広州から深センを経由して香港に至る高速鉄道が開通すれば、中国大陸の主要都市が香港と高速鉄道網でつながる。香港・西九龍駅と広州南駅は最速47分で結ばれるため、中国・香港両政府は「1時間生活圏」に入ると利便性を強調している。

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