投資・運用 特集

不動産バブルの終焉 J-REITの新規上場価格低迷=関大介 偽りの世界好景気

2018年は上場銘柄がすべて公募割れ
2018年は上場銘柄がすべて公募割れ

 不動産投資信託(J─REIT)市場では、新規上場銘柄の価格低迷が続いている。今年は9月までに4銘柄が上場を果たしたが、初値は公募価格をすべて割り込んだ。公募価格低迷は、不動産市況の反落を示唆するシグナルとも言えるのだ。

市況の下支え役

 J─REITとは保有不動産の賃料を含めた収益を投資家に分配する上場投資信託を指す。利益の大半を投資家に還元すれば、法人税が実質的に課税されないため、比較的高い利回りの投資商品となっている。

 J─REITの事業形態は不動産賃貸業であるため、事業会社の上場とは大きく異なる側面が多い。上場時の投資家資金は、あらかじめ投資家に示された不動産の取得に使われる。業績予想も大半の銘柄では1年以上の期間を開示するようになっている。さらに不動産賃貸業であるため賃料が大きく変わることがないことから業績予想の下方修正はまれだ。

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