週刊エコノミスト Online独眼経眼

外国人が押し上げる労働力人口=斎藤太郎

図1 人口の減少ペースは想定よりも緩やか
図1 人口の減少ペースは想定よりも緩やか

 団塊の世代が2007年に60歳に到達することが意識され始めた05年ごろから、日本は深刻な人手不足に陥ることが懸念されるようになった。実際、最近の企業の人手不足感はバブル期以来の高さとなっているが、想定されていた人手不足とはその中身が大きく異なる。

 当時は団塊世代が一斉に退職することで働き手がいなくなり、企業が人を雇いたくても雇えなくなるというものだった。しかし、現在の人手不足は、働く人が増えるなかでも企業がそれ以上に人を雇いたいと考えるために生じている。労働力人口は13年から5年連続で増加し、18年も増加することが確実だ。想定されていた人手不足と比べれば深刻度は低いと言ってもよいだろう。

 労働力人口は人口(15歳以上)×労働力率で求められる。このうち、女性、高齢者の労働力率上昇が労働力人口を押し上げていることは言うまでもないが、意外と認識されていないのは、人口の減少ペースが想定よりも緩やかであることだ。

残り637文字(全文1045文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事