資源・エネルギー 日の丸LNGの挑戦

4.5兆円、20年越しのプロジェクト 豪「イクシス」ガス田から初出荷=内田誠吾

オーストラリア・ダーウィンのLNG積み出し港に停泊するLNG船(左)とLPG船 国際石油開発帝石提供
オーストラリア・ダーウィンのLNG積み出し港に停泊するLNG船(左)とLPG船 国際石油開発帝石提供

「日の丸LNG(液化天然ガス)」への挑戦がついに実を結んだ。国際石油開発帝石(INPEX)が10月23日、日本企業では初となる大規模LNGプロジェクトの操業主体(オペレーター)として、豪州北部ダーウィンでLNGの出荷を開始した。西オーストラリア州沖合に権益を持つガス田「イクシス」で産出した天然ガスを液化したもので、日本は世界最大のLNG消費国だが、これまで大規模LNGプロジェクトで探鉱から液化までを手がけるオペレーターは皆無だった。

 イクシスからは、LNG年産890万トンのうち、567万トンが日本の買い主に向けて供給される。また、日量10万バレルのコンデンセート(超軽質の石油)や、年産165万トンのLPG(液化石油ガス)も生産される。日量10万バレルの石油生産は豪州では最大規模であり、これらの生産物を処理する沖合施設は世界最大規模。さらに、イクシスからLNG液化基地のあるダーウィンまでは、南半球で最長となる890キロにも及ぶ…

残り2821文字(全文3239文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事