週刊エコノミスト Online 世界経済総予測2019

エコノミストが選ぶ注目の3テーマ 大槻奈那 マネックス証券チーフ・アナリスト

(1)米FRBの動向

(2)英EU離脱の日程変更

(3)クレジット市場の動揺

 米国は政策金利の引き上げがどこで終了するかが焦点となる。いまや市場の焦点は景気後退のタイミングに移っている。中長期金利は上がりにくく、引き続き長短金利差が市場のテーマになり得る。経験則に学んでいるFRBはうまく切り抜けるかもしれないが、市場がコンセンサスの2020年よりも早い段階での景気後退入りを織り込み、弱含む可能性も否定できない。

 市場のセンチメントが悪化している局面では、企業収益に直結しないイベントで株価が暴落するリスクもある。18年中、米中貿易摩擦で株式市場が振り回されたのも、景気への不透明感の表れだ。19年は欧州問題、特に3月末に控えた英国のEU離脱の行方が市場を左右する可能性がある。予定通り3月29日に離脱するのがメインシナリオだが、予定にブレが生じれば、市場は動揺するだろう。

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