教養・歴史 書評 読書日記

現実に圧倒される年末 絵の聖性に思いをはせる=楊逸

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 あっという間に2018年も過ぎようとしている。時がたつのが激しく速くなったと感じる一方、ここ一年の間で起きた「こと」は、トルコのサウジアラビア総領事館殺人しかり、カリフォルニア大火しかり、日産のゴーン社長の件など、どれも「常識人」としての受容限界を大きく超えるものばかりだ。 

 時代も世界も、津波さながらのうねりを起こして変わろうとしているのではないか。最近とくにそんな気がしてならない。

 12月に入っても寒くならない空気の中で、『聖と俗 分断と架橋の美術史』(宮下規久朗著、岩波書店、3400円)を読む。聖とは? 俗とは? 本のタイトルを目にするや、その定義と線引きについて興味を注がれ、手に取った一冊だ。

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