経済・企業 マーケット総予想2019

REIT リスク許容度示す「内需株」 投資家は悲観一色ではない=関大介

 日経平均株価が2万円の大台を一時、割り込むなど2018年12月下旬の証券市場を見れば、投資家が「リスクオフ」に転じたと考えられる。しかし、J-REIT(不動産投資信託)の価格動向を見ると、すべての投資家が必ずしも悲観的になっているとは見えない。

 J-REITとは、不動産の賃貸収入を中心として不動産収益を投資家に還元する仕組みだ。制度上、実質的に法人税が課税されないため比較的分配金利回りが高い投資商品になっている。また、保有する不動産の大半は国内ものだ。つまり、為替動向に収益が左右されない「内需株」としての位置づけにもなる。

 不動産賃貸収益は、収益安定性や利回りが高い投資商品であるが、J-REITは上場商品であるため価格(投資口、株価に相当)は業績だけでなく市場の動向にも左右される。例えば英国のEU(欧州連合)離脱が決まった16年6月には、J-REIT全体の動向を示す東証REIT指数は前月末比で約9%下落する局面があった。同期間の日経平均の下落率13%程度と比較すると下落幅は小さいが、大幅な下落局面である。

残り1008文字(全文1468文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事