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社外取締役に天下る茶番=古賀茂明

撮影 宮武祐希
撮影 宮武祐希

 加計学園疑惑で注目を集めた柳瀬唯夫元首相秘書官が、昨年7月に経済産業省を退官した後、今年2月までに、NTT系とシャープ系の企業の社外取締役に就任した。

 落ち着いた国会答弁で野党の追及をかわした柳瀬氏の政権内での評判はよいそうだ。安倍晋三政権としては、官僚たちの忠誠心を維持するためにも、本来なら、柳瀬氏を経産省の次官にして報いたいところだったが、現役官僚のままだと、国会で野党の再追及を受けかねない。そこで、民間ポストで処遇することにしたのだろう。

 ここで注目すべきは柳瀬氏の天下りポストだ。これまでなら次官級キャリアの天下り先は独立行政法人の理事長や大企業の顧問などが多かった。社外取締役ではそんな高給は望めない。500万円から1000万円が相場だろう。

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