週刊エコノミスト Online 迫る景気後退 世界経済入門

どう決まる?米長期金利 FRB姿勢を市場が見極め=箱守晃佑

(出所)ブルームバーグより編集部作成(写真もBloomberg)
(出所)ブルームバーグより編集部作成(写真もBloomberg)

 米国長期金利のベンチマーク(基準となる指数)である米10年物国債利回りが、3月下旬に急低下した(図)。米連邦公開市場委員会(FOMC)で米経済見通しおよび政策金利見通しが下方修正され、想定以上に米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派色を鮮明にしたことが影響したと見られる。

 そして、世界経済の減速が強く懸念された結果、長期金利が3カ月物国債利回り(短期金利)を下回る長短金利逆転(逆イールド)が発生した。逆イールドは景気後退のシグナルとされる。経済指標を見る限り、景気後退に差し掛かっているとの判断には至っていないが、一段の長期金利低下には注意が必要だ。

 長期金利について、筆者は次の2通りの方法で方向性を予測している。(1)「将来期待される短期金利の平均値」と「リスクプレミアム」に分解して予測、(2)「実質金利」と「ブレークイーブン・インフレ率≒期待インフレ率」に分解して予測、だ。本稿では、筆者が重点を置く(1)の方法で考えたい。

残り935文字(全文1354文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事