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節税対策の賃貸アパート 迫る首都圏の「2025年問題」=高田吉孝

「負動産」となっては元も子もない(Bloomberg)
「負動産」となっては元も子もない(Bloomberg)

 相続税対策として建てた賃貸アパートに、家賃収入だけでは借り入れを返済できず「負動産」化するリスクが高まっている。筆者はさまざまな土地活用の相談を受けているが、すでに都市部から離れた郊外のアパートオーナーから、「家賃下落により借り入れが返済できない」という相談が増えている。特に、サブリース(一括借り上げ)の物件で問題が顕在化し始めており、首都圏で20~49歳の人口が大幅減少すると見込まれる2025年以降は厳しい状況に陥るとみている。

 相続税対策としての賃貸アパート建設は、15年の相続税増税前後から大都市圏の土地オーナーを中心に一気に拡大した。アパート建築によって土地の評価額が2割程度下がり、建物の評価額も現金(借入金)の40%程度になるため、アパート全体で相続税の評価額が大きく下がる。このため、節税を目的に金融機関から多額を借り入れたうえで建てるオーナーが相次いだ。また、住宅メーカーや建築と管理を一体で請け負うアパート建築会…

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