教養・歴史 書評

『文化大革命五十年』 評者・田代秀敏

著者 楊継縄(元新華社記者) 編者/辻康吾 訳者/現代中国資料研究会 岩波書店 2900円

中国理解に必須の史実 文化大革命の精緻な研究

 天皇陛下の代替わりを翌月に控えた2019年4月、「平成最後の……」が連呼され、新元号「令和」の典拠とされた万葉集が書店で売り切れた。このことが示唆する通り、天皇1代に元号一つの「1世1元」を制定した明治維新は、151年後の現在の日本を理解するための必須の手掛かりである。

 同じように、文化大革命(以下、文革)は、その開始から53年、終焉(しゅうえん)から43年後の現在の中国を理解するための必須の手掛かりである。

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