週刊エコノミスト Onlineグラフの声を聞く

好材料で始まる悪魔のシナリオ=市岡繁男

 今年8月に2万円割れ寸前まで下落した日経平均株価だが、9月は2万2000円台に上昇し、10月はまた急落という目まぐるしい展開だ。

最近の経済指標をみると、米国のISM製造業景況指数は10年ぶりの低水準、ドイツの国内総生産は2四半期連続のマイナス、日本の工作機械受注は今年3割減の見通し、そして消費者マインドの強さを示す消費者態度指数は12カ月連続の悪化(図1)、といった具合に日米欧の経済指標は着実に悪化している。

こうしたデータをみると株価の下落は必然のように思える。本誌8月13・20日号『世界景気の終わり』の「主要34社景気・相場アンケート」をみると、年内の株価安値を1万9000円以下とみる機関投資家が4社もあった。こうした予測を出すからには、来るべき株価下落に備えていたはずだ。相場の先行きに悲観的なのは個人投資家も同じで、裁定残と信用残を合わせた仮需の水準は直近までマイナス、つまり売り持ちのほうが多かっ…

残り159文字(全文566文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事