週刊エコノミスト Online ダマされない生命保険

「節税保険」見直し 販売停止で業界に打撃 新規契約の大幅減続々=向山勇

(注)経営者保険の販売を停止(一時停止を含む)した生命保険会社のうち、19年4月~6月期の個人保険の新契約年換算保険料が前年同期から半分以上減った会社を掲載。▲はマイナス。億円未満は切り捨て (出所)各社の2019年4~6月期決算より編集部作成
(注)経営者保険の販売を停止(一時停止を含む)した生命保険会社のうち、19年4月~6月期の個人保険の新契約年換算保険料が前年同期から半分以上減った会社を掲載。▲はマイナス。億円未満は切り捨て (出所)各社の2019年4~6月期決算より編集部作成

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「『バレンタイン・ショック』の後、経営者保険が主力だった保険代理店の売り上げは激減し、廃業や吸収合併の動きも出ている」──。ある保険代理店関係者はため息交じりに漏らした。

 生命保険各社は今年2月14日、「節税効果」をアピールして加入が激増していた中小企業の経営者向け保険の販売を停止した。保険料を会社の損金に全額計上できる一方、解約すると支払った保険料の大部分が戻る商品が「節税保険」として急速に広がっていたが、国税庁が問題視し、税務上の取り扱いを見直すと伝えたからだ。

 6月28日には法人税の基本通達を改正。解約時の返戻率が50%以下なら従来通り保険料の全額を損金に算入できるが、50%超では返戻率が高いほど損金算入できる割合を少なく制限した。この新ルールに沿う形で順次販売が再開されたが、「節税効果」の高い商品の販売は事実上できなくなった。

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