週刊エコノミスト Online 書評

従来の中国史を大胆刷新 構成の妙光る新シリーズ=加藤徹

 中国人が書く中国の通史は、つまらない。「中国は昔も今も一つ」「中国史は階級闘争の歴史」「現在の中国共産党が最高である」等の見取り図を当局から強制されるからだ。

 日本人が書く中国の通史は個性的だ。数千年に及ぶ中国史を読者に一目瞭然で示すために、どの学者にどんな切り口で各巻を書かせるか。編集者の発想と腕前の見せ所だ。

 最近、岩波書店が「シリーズ 中国の歴史」全5巻の刊行を公表した。今回、第1巻となる渡辺信一郎『中華の成立 唐代まで』(岩波新書、840円)が出た。冒頭で図示された「本シリーズの構成」は、野心的だ。

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