週刊エコノミスト Online 書評

イメージ先行の存在 真実に迫る画期的な書=本村凌二

 ヴァイキングには略奪者の印象が強い。「角のついた兜(かぶと)をかぶった北欧の海賊」がユーラシア西北岸に出没するかのように語られてきた。だが、じっさいには兜に角はなく、平時には商人であり農民でもあった。

 レジス・ボワイエ『ヴァイキングの暮らしと文化』(白水社、3000円)は、謎めいて見える集団をめぐって、その社会、陸上生活、海上生活、たいせつな日々(出生・結婚・葬儀・重要行事など)の実態に迫る歴史書である。

 ヴァイキングは、9世紀初めのカール大帝没後のカロリング帝国崩壊から歴史の舞台に登場する。それ以後2世紀半、表舞台で活躍した。

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