週刊エコノミスト Online 資産作りの新常識

ホームアセットバイアス=正岡利之/5

 投資を始めるにあたって、投資対象が国内に偏りがちになることを「ホームアセットバイアス」と呼ぶ。自国通貨(円)建ての投資が多くなるのは自然なことだが、一方で「分散投資」の観点では、海外を含めてより広く分散することが望ましい。

 過去の運用実績を見てみよう。図1は国内の債券と株式に投資した場合と、海外の債券と株式も含めて投資した場合の実績を比較した。日本がバブルだった1980年代後半からの数年を除けば、国内だけのパフォーマンスよりも、海外の株式と債券にも投資した方が、相対的に良いリターンとなっている。

 図2のように世界全体の実体経済(名目GDP〈国内総生産〉)は、上昇トレンドを続けている。株式の価格は短期的には実体経済から乖離(かいり)することがあるものの、中長期的にはそれに沿った動きをする。つまり、経済実体が縮小し続けない限りは、株式を保有していれば、その成長を享受できることになる。

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