国際・政治 さらばEU

欧州「緑の革命」 「脱炭素」へ120兆円投資 経済成長との両立は可能か=山口昌樹

「脱炭素」で世界をリードできるか(スイス・ダボスの世界経済フォーラムで講演するフォンデアライエン欧州委員長、1月22日)(Bloomberg)
「脱炭素」で世界をリードできるか(スイス・ダボスの世界経済フォーラムで講演するフォンデアライエン欧州委員長、1月22日)(Bloomberg)

 現在、欧州連合(EU)は昨年就任したフォンデアライエン欧州委員長の下、2020年代の新たな成長戦略を策定して動き出している。EUにとり対英輸出の割合は9%に過ぎず、むしろ、英離脱後のかじ取りが中長期の成長を決める。新体制の任期である19年から24年にかけて欧州委員会は優先的に取り組む六つの課題を設定しており、その筆頭に来るのが「欧州グリーンディール」である。

 この看板政策はEU企業がクリーンな製品と技術において世界のリーダーとなるよう支援し、EUが50年までに温室効果ガスの正味排出量をゼロとすることを目指す。気候変動に対して大胆に行動して脱炭素と経済成長の両立を図るものである。具体的なアクションとして表のような項目が挙げられており、エネルギー供給における脱炭素化とエネルギー需要における効率化と温室効果ガス排出の抑制を目標とする。

残り1974文字(全文2344文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事