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失地挽回 デジタル化、現代版「屋台」に光明 技術よりも経営哲学=田中道昭

CESの開幕前イベントで実験都市「WovenCity」を発表するトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とデンマーク出身の著名建築家ビャルケ・インゲルス氏(米ラスベガスで)
CESの開幕前イベントで実験都市「WovenCity」を発表するトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とデンマーク出身の著名建築家ビャルケ・インゲルス氏(米ラスベガスで)

 米マイクロソフトのサトヤ・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、前年同期比で2ケタの増収増益を記録した2020年1~3月期の決算発表で、「この2カ月で2年間分のデジタルトランスフォーメーション(DX、情報技術による事業変革・価値創出)が見られた」と語った。一方で、日本企業のデジタル化は、これまで米国の巨大IT企業に比べて周回遅れの状況にあり、その格差はコロナ危機によってさらに拡大しているように見受けられる。

 DXの目的に着目すると、日本と米国の違いは明白である。日本企業では生産性の向上など企業中心主義で取り組むことが多いのに対して、米国の優良企業では顧客体験の向上を主目的に据えている。DXは、テクノロジーの優劣よりも、企業が目的や使命をどう定義するかで成否が分かれる。その鍵は「顧客との継続的で良好な関係性」である。

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