経済・企業 コロナ時代 ものづくり成長企業

日本のリスク コロナで「不確実性時代」へ サプライチェーンに落とし穴=和田肇

(出所)2020年版 ものづくり白書「概要」の3頁
(出所)2020年版 ものづくり白書「概要」の3頁

 緊急事態宣言下の5月29日、政府は「令和元年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を閣議決定した。

 今年の白書は「新型コロナウイルスの感染拡大」を危機の一つとして掲げ、環境変化の「不確実性」が、日本の製造業の大きな課題と指摘した。

 財務省・日本銀行の国際収支統計によると、2019年の日本企業の第1次所得収支の黒字幅は、00年の7・7兆円から、20・7兆円に拡大。内訳も00年は海外の証券投資収益が大部分を占めたのに対し、19年は海外工場などの直接投資収益が半分以上を占めるようになった。

 従来の製造業は複数工程を物理的に1カ所にしなければ非効率だったが、1980年代末から技術革新によって、各工程を細分化して複数国に分散して最適なサプライチェーンを構築する動きが進み、00年以降、効率を追求して高度に発達したグローバル・サプライチェーンが構築されたと白書は指摘している。

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