マーケット・金融 世界経済総予測 2021

金 歴史的な上昇相場へ 2200ドルも射程圏内=江守哲

 金価格はすでに長期的かつ歴史的な上昇相場に入っている。上昇相場は慣例的に12年程度続く。現在の基調は2015年から始まっており、27年ごろまで続くと考えられる(図)。そのため、21年もこの勢いが続くとみられる。

 金と同じく米国株も上昇基調にある。米国株の場合は、17年間の上昇サイクルを2回繰り返すのが通例で、まずはリーマン・ショック後の09年から17年後の26年ごろが目先のピークになると考えられる。その後株価は調整し、翌年に金は高値を付けることが見込める。つまり、この先6年程度は、金と株が同時に上昇する相場になる。

 経済も徐々に回復している米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)は23年まで利上げをしないと明言しており、緩和的な政策が続く見通しである。さらに米議会が追加経済対策を進めている。米大統領選で勝利を収めたバイデン氏は、2兆ドル(約208兆円)の経済対策を公言している。これが株価と金価格を支えるだろう。

残り788文字(全文1200文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事