資源・エネルギー 電力が危ない

盲点 政府主導の電力自由化 急速な改革で市場価格高騰=早矢仕廉太郎/編集部

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 電気事業は「発電」「送配電」「小売り」の三つの事業で構成される。「送配電」は、発電所から変電所まで数万~数十万ボルトの電気を送る「送電」と、変電所(6600ボルトに降圧)から電柱(柱上変圧器で100~200ボルトに降圧)を通じて各家庭などに電気を送る「配電」に分かれる(図1)。

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 日本の電気事業は、1886(明治19)年の東京電灯の開業によって始まり、昭和初期には事業者数が800社以上に達した(表1)。だが、第一次大戦後の不況などを背景に、東京電灯、東邦電力などの「5大電力体制」に次第に再編されていく。戦時色が濃くなる1939年には、電力管理法により、各社の発電、送電事業を集約した半官半民の「日本発送電」が設立された。41年には多数あった配電会社も地域別に9社に統合される…

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