資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

人類を絶滅寸前に追い込んだインドネシアの巨大噴火=鎌田浩毅

「脱炭素」を考える/6 人類を絶滅寸前にした巨大噴火/58

 火山の噴火が人類の進化にまで影響を与えたことがある。今から7万4000年前、インドネシア・スマトラ島北部で起きた大噴火がそれで、過去10万年の地球上で最大規模の噴火だった。マグマ量で2800立方キロにも及び、長さ100キロ、幅35キロにわたる巨大なカルデラが形成された。現在、カルデラ内にはトバ湖があり、カルデラの縁に沿って小型の火山ができている。

 また、カルデラの周囲には非常に厚い火砕流堆積(たいせき)物が広がっている。さらに、インド洋の海底にもこのときに噴出した火山灰が厚く堆積している。さらに遠い場所としては、インドや中国南部でもトバカルデラから飛来した火山灰が確認されている。

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