経済・企業 上がる!医薬株

実用化の期待高まる「がん治療ワクチン」、米モデルナなどが開発=村上和巳

新型コロナのmRNAワクチンと同じ原理で作る「がん治療ワクチン」 (Bloomberg)
新型コロナのmRNAワクチンと同じ原理で作る「がん治療ワクチン」 (Bloomberg)

がん治療ワクチン mRNAを投与して免疫を「訓練」 コロナワクチンの原理で治療=村上和巳

 米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナは有効性の高い新型コロナウイルスのワクチンを記録的な速さで完成させ、世界に衝撃を与えた。両ワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンと呼ばれる遺伝情報を使った新しいワクチンだが、mRNAは以前からがん治療への応用が研究されてきた。そもそもビオンテックとモデルナはmRNAでのがん治療研究のパイオニアであり、今回のワクチンの成功を機にmRNAでのがん治療が実用化へ近づくと期待が高まっている。

 mRNAは「たんぱく質製造の設計図」と表現されることが多い。たんぱく質はヒトの体を構成する約60兆個の細胞の主成分。細胞の中にはヒトの全遺伝情報を有するDNAがあり、各種のたんぱく質が作られる際にDNA内から個々のたんぱく質製造に必要な遺伝情報のみが切り出されている。この遺伝情報がmRNAだ。

残り1003文字(全文1415文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事