マーケット・金融 安い日本

安い日本 第2部 アベノミクス総括=編集部

「意気込みや政策手法はよかったが、物価は上がらないという人々のマインドセットは日銀が考えていた以上に深刻だった」

 東京大学の渡辺努教授は、2012年末に発足した第2次安倍政権のもと、翌13年4月から始めた日銀の異次元緩和で、2%のインフレ目標が達成できない原因をこう分析する。金融危機が収まった04年ごろに大胆な金融緩和政策を実施していれば、結果は違った可能性があるという。

 安倍政権が採用した経済政策アベノミクスは、第一の矢として大胆な金融緩和、第二の矢は機動的な財政出動、そして第三の矢が成長戦略だった。だが、「アベノミクスの8割は金融政策だった」と明治安田総合研究所の小玉祐一フェローチーフエコノミストは指摘する。「異次元緩和が始まった当初は、円安と株高が進みまずまずの成果だったが、その後が続かなかった。財政政策も徐々に効果が薄まり岩盤規制は残ったまま」。

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