テクノロジー 闘論席

AI将棋にAIカーリング、次はAIサッカー? 池谷裕二

撮影 小松雄介
撮影 小松雄介

池谷裕二の闘論席

 将棋や囲碁においてヒトを凌駕(りょうが)する人工知能(AI)が達成されて以降、次なる目標はスポーツに向けられている。米『サイエンス・ロボティクス』誌の8月号では、英国のディープマインド社が、サッカー用ロボットを提案している。ヒトのプロチームを凌(しの)ぐことを目標とするが、選手たちのプライドを挫(くじ)き、人類を絶望させることを目指すわけではない。一種のベンチマークだ。

 サッカーは複数の選手がチームプレーを競う。相手チームの能力や選手の体調はもちろん、その日の試合展開や会場や天候によって臨機応変に戦略を変える必要がある。過去のデータも参考に、現場を把握し、次の展開を見越した上で最適な行動を選択する。これらは私たちが日常的に営む社会活動に通じる。つまり一流のサッカーロボットが開発されれば、ひいては人間の社会を支援できる可能性があるのだ。これがベンチマークと目される…

残り482文字(全文877文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事