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コロナ後の円安で株もGDPも低迷 市岡繁男

 コロナ禍で株価が暴落した2020年3月を起点に、主要国の今年1月までの時価総額増加率(ドル換算後)をみると、2.2倍に上昇したインドがトップで、プラス11%の日本は最下位だった(図1)。

 この間における日本株の騰落率(円ベース)は34%増で国内投資家に不満はない。だが20年3月から今日までドル・円は2割以上も下落し、外国人にとって日本株は最悪の投資先となった。1ドル=150円台まで円安が進んだ昨年9月はマイナス7%だったので、これでもだいぶ改善はしたのだが……。

 国内経済の強さを示す名目国内総生産(GDP、ドルベース)成長率も、日本は19~22年の3年でマイナス16%と諸外国に大きく劣る。国際通貨基金(IMF)によると、この間の名目GDP(円ベース)成長率もマイナス1%と芳しくないが、それ以上に円安が加速したことが事態を深刻にしている。このままでは日本株を買う外国人は割安になった優良企業を狙うハゲタカファンドしかいなくなる。

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