経済・企業THE MARKET

《金》調整安だが中銀が購入 鈴木直美

 金相場は足元で調整安に転じている。2月に入り、米雇用統計や消費者物価指数の結果を受けて、米連邦準備制度理事会の早期利下げ観測が後退したのが主因だ。昨年終盤以降の金価格急騰と反落は、ニューヨーク金先物相場の総取組高(未決済契約残高)の動きと連動しており、先物主導の値動きと推察される。金上場投資信託(ETF)の残高は、過去数カ月ほぼ横ばいで、新規買い意欲は乏しいが売り圧力も緩んでいる。

 ワールド・ゴールド・カウンシルの需給報告によると、2022年の金の年間総需要は11年ぶりの高水準だった。世界の中央銀行の金購入量は21年通年で450トンだったのに対し、22年7月以降は2四半期連続で400トンを超えている。中国人民銀行は今年1月も3カ月連続で金準備を積み増し、ロシアや中東の中銀もドルやユーロ離れを進めたとみられている。ロシアのウクライナ侵攻後、中国やロシアはドル覇権への挑戦姿勢を…

残り90文字(全文483文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事