『天誅組(てんちゅうぐみ)の変』　舟久保藍著　中公新書　924円

　NHK大河ドラマ「どうする家康」の人気もあり、江戸時代に再び注目が集まるなか、本書は幕末に尊王攘夷(じょうい)の大義のために決起した男たちの戦いを描いている。主役は大和国の五條代官所を制圧し、「新政府」を宣言したものの、京都の政変でたった1日で情勢が暗転し、壊滅した天誅組。彼らの行動を中心として、これに呼応して起きた生野の変（但馬国生野の挙兵）を、このあと起きる明治維新に向けた時代の新たな胎動と捉えて追究していく。（K）

週刊エコノミスト2023年4月11・18日合併号掲載

『天誅組(てんちゅうぐみ)の変』　舟久保藍著　中公新書　924円