投資・運用 投信道場~新NISAで始める

新NISAはつみたて投資枠で教育資金を確保し、成長投資枠で老後資金を 大山弘子

 資産形成に新NISAをどう活用すればよいのか。必要な資金をつみたて投資枠で確保した後は、成長投資枠で投資するアクティブファンドが鍵となる。

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 2024年から始まる「新NISA(少額投資非課税制度)」では、非課税保有期間が恒久化され、年間120万円のつみたて投資枠と年間240万円の成長投資枠を併用できるようになる。非課税保有限度枠は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)あり、保有する株式や投資信託を売却した場合には、翌年以降に非課税保有枠を再利用することが可能だ。現行のNISAよりも使いやすくなる新NISAを、現役世代の投資家は、どう活用しようと考えているのか。

超過収益も狙いたい

 30代前半の会社員、アミさんは、子どもの教育費準備と、アミさん夫婦の老後資金を準備するために、18年からインデックス投信の積み立てを始めた。

「株式投資に興味があり、以前から家計の節約につながる割引券や食事券などがもらえる株主優待銘柄に投資していました。それと並行して投資の勉強をし、子どもが生まれるタイミングで、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAを活用して投資信託の積み立てを始めました」(アミさん)

 現在は、iDeCoとNISAに加えて課税口座も活用して、月額30万円(夫婦2人分の金額)を、世界の株式に分散投資する「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と、米国のS&P500指数に連動する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に投資する。資産評価額は3000万円を超えている。

「これまでは順調に資産を増やしてこられましたが、資産運用ではいつもいい時ばかりとは限りません。また、当面の目標は、子どもの教育費を準備することなので、あまりリスクを取り過ぎないよう、新NISAでも、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を活用して、今と同じ投信を積み立てる予定です。ただし、下の子どもが大学に入学した後は、私たち夫婦の老後資金を本格的に準備したい。2人で老後生活を楽しめるよう、成長投資枠を利用して、高配当株やアクティブファンドにも投資し、配当金を得ることや、インデックス投信を上回るリターンの獲得も考えたいですね」(同)

 40代半ばの会社員ダイスケさんは、教育資金と住宅購入資金の準備を目的に、06年からインデックス投信の積み立てを始めた。

「リーマン・ショックを経験したことで、毎月一定額を先取りして、淡々と積み立て続ける威力を学びました。自分でタイミングをはかって投資していたら、暴落時に投資を続けることも、その後の回復局面で資産を増やすことも経験できなかったと思います」(ダイスケさん)

 現在は、NISAとiDeCo、課税口座を活用して、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を積み立てている。夫…

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週刊エコノミスト

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