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金利の上昇でひっ迫する米財政

 米連邦預金保険公社によると、米銀は今年3月末時点で5160億ドル(約75兆円)の債券含み損がある(図1)。うち途中売却可能な債券の含み損は2320億ドルで、自己資本の13%が毀損(きそん)している計算だ。

 それでも昨年9月末時点よりは改善している。長期金利が9月末の3.8%から3月末は3.5%に低下し、債券価格が上向いたからだ。だが長期金利はいま4.3%に上昇しており、現在の含み損は昨年9月末を大幅に上回っているはずだ。

 問題は、今後も長期金利の上昇が続きそうなことだ。国債の発行残高は2008年のリーマン・ショック、20年のコロナ禍を機に急増している(図2)。それでも物価の安定で金利は低下していたので、税収に占める利払い費の割合は落ち着いていた。

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