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原油減産で上昇に転じる米消費者物価 市岡繁男

 米金融サイトに、「米消費者物価(CPI)はこれから劇的に悪化する」という論考が掲載された。①上半期のCPIを前年比で押し下げた「ベース効果」は終わる、②2022年10月から始まった「医療保険調整」は、今年11月に発表の10月CPIから逆に振れる、③原油価格は再び高騰し始めた、というのだ。

 1点目だが、今の前年比計算の「ベース」は22年6月をピークとする指数上昇時のものだ。昨年後半は伸び率が鈍化したので、今後はベースが下がり、前年比の数値が大きくなる。

 2点目は、米当局は医療保険料の推計方法を毎年調整し、その調整幅を翌年12カ月に分散する。今回、当局はコロナ禍の影響で、医療保険のインフレ率を過大に見積もってしまった。その過大分は昨年10月から毎月に分けて修正、医療保険料のCPIは前年比34%も下落した。その修正が今年9月で終わるので、10月からはCPIが上昇する。

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