週刊エコノミスト Online 闘論席

AIが美術史で新たな活躍 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 美術史でAI(人工知能)が新たな活躍を見せている。古今東西の絵画をAIに学習させることで、ヒトの目では分析しきれなかった事実が判明するなど、興奮すべき革新が訪れている。肖像画ひとつをとっても、姿勢や視線、ブラシストロークや彩色などから、AIは年代や系譜をうまく分類する。画家の利き手もわかるという。

 レオナルド・ダ・ヴィンチは光の照射や陰影を光学的に分析し、絵画に導入したことで美術界に変革をもたらしたが、AIの分析によれば、光を再現する精度においてはヨハネス・フェルメールの絵画が群を抜くという。またルネ・マグリットは照明の不整合を意図的に持ち込み20世紀のシュールレアリスムをけん引したが、ヤン・ファン・エイクが15世紀に同様な試みを行っていたこともわかった。

残り475文字(全文816文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事